第二巻 序にかえて

“2010”年頭の挨拶〔第二巻の解説を始めるにあたって〕を

 ここに再録し、第二巻の【序】にかえさせていただきます。

 

 メンバーの皆さんに、第一巻に引き続き、第二巻の解説をすることにいたします。

 第一巻は、化身されたクリシュナ神が、どのようにお過ごしになり、どのように化身とし

ての目的を完成されたか…という描写が主でした。パーンダヴァとの交流やいろいろな経緯

を通じて、形而上下のお話が混在して語られております。

 第一巻は、市井に生きる者たちのバイブルともいえる内容でして、文面のいたるところに

〔生きるための叡智〕が鏤められております。どうか今後も第一巻の朗誦に励んで下さい。

 自分が声を出して朗誦することで、まず目で活字を読みます。漢字は表意文字ですから、

漢字を見ることによってその語彙の意味が解り、〔神譚詩が語る真理〕への理解が深まります。

“読書百遍(ひゃっぺん)意(い)自(おのずか)ら通ず”という言葉がありますが、漢字を見ながら読

むことはとても大切です。そして自分で声を出すことで呼吸法が身につき、またその言霊が

耳から聴道を伝わってマナスを浄化します。目、口、耳。クリシュナ神から与えられている

五感を使って神譚詩を朗誦し、心からクリシュナ神を讚仰することが出来る喜びは、何物に

も代えられません。どうか御恩寵に感謝しながら、毎日朗誦を続けてください。

 第二巻になりますと、非常にレベルが高くなります。深い真理が語られております。

ヴェーダに長けたシャウナカ聖者でさえ、「われらに聴聞が許される、その資格があると思

われるならば何卒お説きください」と、へりくだってスータ師に懇望されています。

 

 第一巻の巻末、19章-38節の問いかけ、

  1-19-38      世俗に生きる者達は 何を聴きたり唱えたり

はたまた何を為すべきか 何を心に留とめ置きて

何を敬い尊ぶか  何が反する行為か‥を

おお最高の指導者よ 何卒教え給えかし

 

 これを受けて第二巻が始まります。

   2-1-1   【栄はえあるシュカは申されり】

パリークシット国王よ 世俗に生きる人々が

御主おんしゅに帰依を捧ぐには 何 為すべきか訊きたしと

問いし御身おんみの心根こころねを まこと嬉しく思うなり

 

 さあ私たちも、シュカ仙を通じて語られる〔真理〕の探究を続けましょう。

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2011年 盛夏

V.K.K.祭主 坂本弘子記す。